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Unattended delivery 1-15
amazon.comにて運用されている「置き配達」というサービスは、配達員から直接荷物を受け取ることなく 玄関に荷物を置いてもらうことで、荷物の配達を完了とするサービスである。 この「置き配達」を利用する際、荷物を確実に配達したことを証明するために、配達員が荷物を撮影した 写真がユーザーの購入ページにアップロードされる。 この作品では、作家自身が置き配達を初めて利用した4月から、2月の展示までの8ヶ月間で、置き配達を利用する都度購入ページにアップロードされる確認写真を全て保存し、その中から以下の条件をもとに 選別し、類型学を念頭においたグリッド状に展示する。 ~~ ・amazon.comの茶段ボールが主となっている写真(amazon.com公式の白い封筒や 他社の段ボールのみの荷物写真は除外) ・ある決められた地点から撮影された写真のみ(撮影地点を一点に定める、ズームで撮影された写真を除外する) ・日の入り方が似た写真を選ぶ(大まかな撮影時刻を揃えそれを基準とするため。) ~~ 構図やモチーフが似た置き配達写真を、ミニマリズム的な同質なるモノとしてフォーマルな展示形式に沿って並べる時、妙な撮影地点のズレのような撮影者の身体感覚から通づる差異があぶり出される。 それはつまり荷物確認写真から抜け落ちていた撮影者という存在の面影のようなものであり、 本作ではそれを本来置き配達の確認写真に内包されていなかった一種のアウラとして扱うことで、 そこに新しい美的価値を生み出す。