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Stone hits in the display
第25回学生CGコンテストアート部門ノミネート

かつてフォンタナなどによって絵画におけるキャンバスの存在が考察されたが、現在の液晶ディスプレイにおいても通づるものがあると感じる。
鑑賞者が液晶ディスプレイで映像を見るときに見えるのは 無論そこに映し出されている映像であり、その際液晶ディスプレイにおける画面の存在は絵画におけるキャンバスと同じように、鑑賞者にとっては存在しないものとして扱われる。
本作では映像に映るモデルが私たちの側に向けて石を投げ続ける。 石は液晶ディスプレイの内側にぶつかり白い傷がつく。
映像が進むにつれて画面にたくさんの石が投げられ、傷が増えていくことにより鑑賞者にとって存在しないものとして扱われていた一枚の画面の存在が徐々に見えてくる。
画面についていく傷、石の打撃音、傷のついた透明板を使うことによりディスプレイの内側と外側を隔てる画面の存在を考察させる。