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In the amazon cave
amazon.comで発売されているカメラ機能付きの耳かきの商品イメージの中には、耳かきを使用している女性モデルや商品の実物画像の他に、スコープで撮影された耳の中のキャプチャ画像がコラージュされている商品が存在する。
多くの場合ユーザーの気分を害するという理由から宣材画像で使用されることはタブーとされているであろう少々グロテスクなイメージは、 商品の画像やモデルの女性の画像と同じレイヤーに並べられたとき、そこに人肌のような生暖かさを付与させる。
その時、どこかユーザーの目を引くようなキッチュな印象が生まれている。
現在、動画投稿サイトのYoutubeには鼻の角栓を取り除く様子や、ニキビを潰す様子をズームで撮影された動画が大量にアップロードされ、多くの再生数を誇っている。
そういった映像を鑑賞する際、(気持ち悪いから)見たくないけど少し見たくなってしまう。という一種のカリギュラ効果が発生しており、鑑賞者は次々と再生ボタンをクリックしてしまう。これと似たような効果がこの耳かきの画像にも起こっているのではないであろうか
この耳かきスコープを買えば、日頃よくYoutubeでみるグロテスクな体内の映像を自分の体でもみることができてしまう。
見たいけど見てはいけないような、自分の体内が見れるという体験を誘発することで販促効果を狙っているのであろう。実に巧妙な手口である。
本作ではこの耳の中という暗くて歪なイメージをamazon.comの生態調査の中で発見したamazon.comの洞窟と捉えることで、その洞窟内で撮影されたはずであろう、洞窟内の記録映像とマップを展示する。
使用用途やイメージをユーザーに伝えるべく合成され生まれた販促のためのコラージュ画像を、amazon.comに存在する洞窟というひとつの環境の中に生まれたオブジェクトとして認識することにより、
amazon.comの中に存在する特有の変異として観察調査する。