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アマゾン生態調査報告/amazon ecological survey report
私は、まるでアマゾン熱帯地域を調査する様に、多くの商品を扱うamazon.comという世界最大手のECサイトにて数々のリサーチを行った。
現在、amazon.com には 1,220 万品目を超える商品が出品されおり、その中にはアマゾン熱帯地域におけるピンク色の皮膚を持ったアマゾンカワイルカのように、
環境に適応し独自の変化を遂げた固有種のようなイメージが多数存在する。
中でも歪なイメージや違和感のあるコラージュは、Amazonでいかに購買者に見つけてもらうかという目的に対応するために生まれた固有種の様なイメージと言えるはずである。
固有種のように生み出されているイメージをリサーチすることで見つけた発見や、
それらが商品というオブジェクトにメタモルフォーゼする際に引き起こすであろう摩擦やすれ違いなどの問題について表現することにより、
インターネット上の消費活動における表象のシンボル性やそれらが生み出す新たな生態系について考える。
本作は、私がamazon.comに出品されている商品画像に見られる歪なコラージュを主にモチーフとして制作した連作をアマゾンの生態調査報告と捉え展示している。
その内の作品では、商品画像に存在するイメージをそのままオブジェクトに変換したものや、
amazon.comで撮影された写真、ジャングルの画像が大判印刷したターポリンの前に配置される作業環境は、amazon.comの調査環境を表現している。
そういった作品郡をまるでアマゾン熱帯地域に生息する多様な生物の展示室のように展示することで、
作品のイメージソースであるamazon.comに存在する商品の多様性と絡めて解釈することが可能であろう。
そういったamazon.comのリサーチを社名の由来でもあるアマゾン川の生態調査と言葉遊びの様に”かける”ことによって大きいタイトルとしてアマゾン生態調査報告と呼ぶことにする。
amazon.comは今や消費活動の中核を担う存在となり、生態ピラミッドのヒエラルキーを覆す勢いで中小企業を淘汰しはじめている。
そこに存在する突飛な商品画像といったイメージをアマゾン熱帯地域に存在する固有の生態系と言葉遊びのように絡めて考えた上、
独自に解釈し作品として表現することで、そこに生まれるまるで新たな生態系のようなイメージや、
それら新しいイメージが引き起こすであろうこれからのニュースタンダードな消費活動の形などについて思考を巡らせる。
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